ヴィクトリアマイル傾向

東京芝1600mは、スタートしてから最初のコーナー進入までの距離が長く、ポジション争いはさほど激しくならないため、枠順による有利不利が少ないコース形態。だが、それはあくまで開催時期を考慮しない場合の話。例年、A→Bのコース変更週に行われるヴィクトリアマイルでは、荒れていない内側を走ることができる内枠が強さを見せています。

一方で外枠が不利というデータもなく、内有利で真ん中と外の枠でデータ的な偏りは見られません。

人気薄が馬券内に入ってくる比率も高く、内をロスなく立ち回れそうな穴馬を探すのが馬券的には狙い目となります。

また、牝馬限定唯一のマイルG1であることから、短距離馬だけのレースになることは少なく中距離戦線から有力馬が多く参戦するため、中距離レースらしい中盤で一旦ラップが落ちる流れになりやすいです。

トップスピードを長く続けることを求められる1600mのレースの中では、一旦溜めて、キレる脚を使える要素も持った馬が狙い目となります。

今年もマスクドディーバ、ハーパーなど中距離戦線から有力馬が出走してきており、この傾向は今年も続きそう。

ヴィクトリアマイルの血統傾向は、東京マイルで強いクロフネ産駒が強く、2012年ホエールキャプチャ、2022年ソダシの2頭は、前者がハナ差、後者がアタマ差と、翌年も勝ち馬とタイム差なしの2着に好走しています。また、2019年には母の父にクロフネを配されたノームコア(父ハービンジャー)が、当時の芝1600mにおける日本レコードを更新するなど、牝系に入ってもクロフネは強く、クロフネだけではなく、ディプティミニスター系の血統を持っている馬は合ってきます。

サンデーサイレンス系もこのレースに強く、フジキセキとディープインパクトが種牡馬として最多となる4勝を記録。

また、シアトルスルーの血脈を持つ馬もこのレースには非常に強くなります。シアトルスルーは春にスピード要素を出してくる血統なので、本来マイルG1を走るスピードがなさそうな馬でもシアトルスルー持ちを切るのは早計です。

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