ウマ娘がシーザリオの登場を発表しました。これまでウマ娘への登場がなかったキャロットレーシングの馬だったこともあり、大きな話題となっています。そこで今回はシーザリオを史実で振り返っていきます。
早熟の名牝
シーザリオは新馬戦から2連勝でフラワーカップに出走しレコード勝ちを飾り、桜花賞に出走します。
桜花賞では新馬戦からコンビを組んだ福永祐一がラインクラフトに乗るため、乗り替わりを余儀なくされ、道中の位置取りのまずさもあり、ラインクラフトに頭差届かず、2着に敗れてしまいます。
ラインクラフトが距離適性の観点から桜花賞馬として初めて牡馬混合のNHKマイルカップに駒を進め、再び福永に騎乗依頼を行ったため、クラシック二冠目の優駿牝馬では福永とシーザリオとのコンビが復活。
シーザリオは単勝1.5倍の1番人気に支持されますが、レースが始まると出遅れてポジションを取れず、スローな展開の中で後方からの競馬を余儀なくされます。
それでも大外から強引にまくっていくと、上がり33.3秒の豪脚で差し切って強い勝ち方で優勝を果たします。
桜花賞で2着に敗れたことで3冠の可能性がなかったものの、シーザリオの能力の高さを確信していた陣営は海外挑戦を決意。
次のレースはアメリカのハリウッドパーク競馬場で行われるアメリカンオークスとなります。
シーザリオは不利な大外枠からのスタートだったものの、3コーナー手前から馬なりで先頭に立つと、直線では独走態勢に入り、2着を4馬身突き放して圧勝を飾ります。1分59秒03の勝ち時計はレースレコード。着差の4馬身もレースレコードでした。現地実況アナウンサーはこの走りを「Japanese superstar」と表現しました
シーザリオのアメリカンオークス優勝は、日本調教馬として初めてのアメリカG1競走勝利であり、父内国産馬または中央競馬クラシック競走優勝馬として初めての海外G1競走勝利と記録づくしでした。
その後シーザリオの陣営は、ベルモントパーク競馬場で施行されるブリーダーズカップ・フィリー&メアターフも視野に入れるローテーションを組むことを表明。しかし、帰国後に放牧に出されていたノーザンファームで右前外側繋靭帯炎を発症し、そのまま引退しました。
繁殖牝馬としてはエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアと3頭のG1馬を輩出しています。
予想する上でのシーザリオの取り扱い
シーザリオはエピファネイア、リオンディーズ、サートゥルナーリアと3頭の種牡馬を輩出しましたが、共通点は早熟傾向があることです。
これはシーザリオ自体の早熟性に由来するといえるでしょう。シーザリオの血を継ぐ馬は新馬戦は狙い目である一方で、一度負けた後は衰えも懸念する必要があるといえます。